ノーコードツールは、プログラミングの知識やスキルがなくても、直感的な操作でWebアプリケーションなどのソフトウェア(業務アプリや業務システム)を開発できるツールです。従来のコーディングやプログラミングを必要とせず、ドラッグ&ドロップやマウス操作による設定でアプリケーション開発が可能です。
ノーコードツールを使用することで、ITの専門知識がない業務部門であっても、思いついたアイディアを形にできるため、デジタル化やDXを促進することができます。
社会情勢の変化や国からの要請もあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)や 業務のデジタル化への需要が 々まっています。そのような中、IT人材は必要不可欠です。また、経済産業省の報告によれば、ITニーズは今後もどんどん拡大していくと予想されています。一方で、IT材は減少に向かうと予想されており、2030年には40~80万 の規模でIT 材の不 が じる懸念があることが試算されています。
IT人材がいない企業がDX推進に向けて動き出すためには、現在いる人材を最大限に活用していくことが求められます。ノーコードツールは、ITの専門知識がない人であっても業務をデジタル化する業務アプリをつくることができるため、注目を集めています。
グラフを見ると、2019年をピークに生産年齢人口の供給の減少が起きているにもかかわらず、ITニーズの拡大により、IT市場規模は今後も拡大し続けるため、IT人材不足数は大幅に拡大していく見通しです。
※独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター『IT人材白書2020』を基に作成
現代社会は、世界情勢やテクノロジーの急速な変化により、複雑で予測困難な「VUCA時代」と呼ばれるようになりました。ビジネス環境は日々変化しており、その変化への対応力が重要になっています。従来の開発手法では、大きな資本を投入し、長い時間をかけてシステムを構築していました。しかし、これからは、変化に素早く対応できる柔軟なシステムが求められます。
ノーコードツールは、プログラミング知識がなくても視覚的な操作でアプリやシステムを開発できるツールです。従来の開発手法と比べて、開発期間とコストを大幅に削減でき、変化への対応が容易になります。そのため、ノーコードツールは、これからのビジネスの成功を支える重要なツールとして注目されるようになりました。
独自調査によると、ITを使って業務改善に取り組みたいと考えている人は6割以上、平均で2.5個の課題を抱えています。
ビジネス課題が変化していく中、日々の業務に追われながら、業務を改善しようと試行錯誤している状況にあることがわかります。
ノーコードツールと同時に注目されているのがローコードツールです。ここからはその違いとできることをご紹介します。
ノーコードツールはプログラミングなしで業務アプリや業務システムを開発できるツールを指します。コードを書かないのでエンジニアでなくてもWebアプリケーションやサービスを開発することができます。
ローコードツールは、少ないコードとビジュアル的な操作で開発できるツールを指します。最小限のコードで開発できるので、素早く業務アプリや業務システムを開発することができます。拡張性はありますが、プログラミングの知識が必要とされます。
ノーコード・ローコードツールを使用すると、ITの専門知識がない非IT人材でも業務アプリや業務システムの開発が可能になります。ツールによってはドラッグ&ドロップで直感的にアプリを制作できるものもあり、企画者・開発者が思い描くイメージをそのまま形にできるので、開発コストを削減できます。
ノーコード・ローコードツールは、高度なコーディング技術を不要とするため、スピーディーに開発が可能です。施策を検討してからリリースまでの時間を短縮でき、施策の実行・改善をクイックに行うことができます。
パッケージ製品やスクラッチ開発など従来の開発手法では検討開始から完成までに時間がかかり、ビジネスの変化に対応できない一方で、常に変化の激しいビジネス環境に合わせて、使いながら改善していけることが、ノーコード・ローコードツールのメリットといえるでしょう。
ノーコード開発により、一定レベルの業務アプリや業務システムをつくることは可能ですが、ローコード開発の要素を加えることで、拡張性や柔軟性が向上します。ノーコードとローコードの両要素を備えているツールであれば、多様な業務領域をカバーするシステムをつくれます。現場で使うシンプルかつ小規模な業務システムは非IT部門が担当し、全社で使うような大規模なシステムはIT部門が担当するといったような役割分担も可能です。これにより、全社的なDXが促進されるでしょう。