【業務内容】
中国における理容・美容設備の販売
【利用用途】
商談報告、交通費の経費精算、経費申請
上海宝貝蒙貿易有限公司(タカラベルモント上海)は、中国で基幹事業である理容・美容・エステ業界向けに機器の製造・販売を行っている。社是にもある「ダイレクトマーケティング」を行い、客観的なデータで中国ビジネスに取り組むために kintone を導入した。
中国でのビジネス展開や「kintone」の運用等を、副総経理小林信様にお話を伺った。
タカラベルモントは「美と健康」をテーマに、理容・美容・エステ・デンタル・メディカルの事業を行っています。創業は大正10年で今年は93年目になります。今注力しているのは海外事業です。
「上海宝贝蒙贸易有限公司(タカラベルモント上海)」は2011年に本格進出し、基幹事業である理容・美容・エステ業界向けに機器の製造、販売を行っています。タカラベルモント製品は高品質・高価格帯に分類されます。そのビジネスを中国で行うのは難しいのは分かっていましたが、やはり、マーケットとしての中国は避けて通れません。
やはり日本とは全然違いますね。まず、日本だとサロン(理容・美容店)に行ったらオーナーに会えますが、こちらだとまず会えません。投資家が多いですから。そうなると人づてで探していくわけです。そして、老板にあったら即決です。中国は『やる!!やらない!!』がはっきりしています。日本だと、商談のスパンは長期にわたります。
他にもあります。日本だとチェーン店の 1 店舗で導入されたら支店展開まで話がおよびます。こちらだと、1店舗を受注してもそのビジネスモデルはすぐコピーされて以降の支店展開に話が繋がらないことが普通で横展開で芋ヅルというわけにはいかないんです。(笑)
また、好みの色も違います。日本だとアイボリー等の暖かい色が人気ですが、こちらは汚れが目立たないダーク系のカラーが人気です。アイボリー色を大量発注してしまったときは焦りましたね笑
日本では長年の経験でノウハウが溜まっていますが、日本のやり方をそのままもってきてもうまくいきません。だから、今までの感覚を当てにすることはできないと痛感しています。
副総経理小林氏と、タカラベルモント社製の美容用椅子にすわる担当の松澤
主力製品である「maxim」
タカラベルモント社の製品は高額な部類に入るが、ショールームに来て体験してもらると購入確率があがるそうだ。
弊社は社是にもあるのですが「ダイレクトマーケティング」を重視しています。『自分でつくって自分で売る』そのために自らの足で情報を集めて情報を客観的に分析する。そういう考え方です。
特に中国では、前述のように日本の感覚でビジネスはできません。中国での顧客の情報を蓄積する必要性を強く感じていたときに kintone に出合ったのです。データを蓄積するために誰でも簡単に登録できることができる点がポイントでした。
例えばお問い合わせがあったときに、どのタイミングで電話を切られるか。やはり値段を伝えたタイミングが多いのですが、そういうものも感覚ではなくデータで蓄積されているので、対策を検討することができるようになりましたね。 また、日本だとサロンの担当は一人で全部やるのですが、中国だと営業・インストラクター等役割分担をしています。そういうときにも、時系列でやり取りがみえるので対応の質があがりました。
タカラベルモントの営業手法は「ダイレクトマーケティング」。
お客様に直接訪問して関係を深めていく。報告はサロンに接触したたびに営業担当が記載する。
「こうやって素直に書いてもらうようにしています。どこが問題があったのかが明確にわかります」
訪問内容は、毎週、営業会議で確認する。顧客の現状把握や、上司からの指示を確認できる場だ。 ここで問題点を洗い出し、次のステップにすすめるアイデアを出し合う。
「こうやって客観的な情報をみていると問題点が見えてきますよ。」
商談報告の一覧
商談報告には写真をつけて報告できる
定例の営業会議。総経理も参加し、報告を見ながら活発な意見が飛び交う。
タカラベルモントの「ダイレクトマーケティング」には顧客との取引開始までに時間がかかる。日本では半年以上のお付き合いがないとビジネスにはならない。
それだけ顧客のことを理解したうえでのお付き合いをするのが「ダイレクトマーケティング」だ。
「すぐ売ろうとするから買ってもらえないんです。お客様先に訪問するのはお客様のことを理解するためなんです。半年先の楽しい話がどれだけできるかが大事ですね。」
一つのお客様に訪問する回数が多いため、エクセルでは把握しきれなくなった。顧客への訪問履歴が一目でわかるため、次回訪問時も適切な話ができるようになった。
日本での感覚に頼らず、中国での「ダイレクトマーケティング」の基盤として kintone を活用している
案件状況も一目で把握できる
顧客との長い付き合いも一目で履歴が把握でき、これがダイレクトマーケティングの基盤になっている
「全員営業」が創業者の考え方です。全員がお客様の方をむく。我々も、社内の仕事が片付いたら外にでるようにしています。我々の商品は一般消費者が肌で触れる製品なので、その感覚を大事にしています。サロン・消費者からもらう情報から製品ができてくると思っています。経験値を重ねながら、こちらで作らなければいけない製品を模索し続けますよ。日系企業は攻めるか撤退かですが、上海宝贝蒙贸易有限公司の選択肢は「攻める」しかないので笑
「タカラベルモント上海」の中国でのさらなる飛躍を期待したい。