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前川迈坤国際貿易(上海)有限公司 様

営業業務からスモールスタートで全社的な業務改善DXに成功
kintone活用で顧客価値向上のための時間を創出し、事業成長に貢献

【業務内容】

産業用冷凍機並びに各種ガスコンプレッサーの製造販売

【利用用途】

営業管理(案件・見積・契約・実行予算)、物流管理(入出庫・在庫)、業務日報管理、人事管理(勤怠・給与計算)

事業紹介

前川迈坤国際貿易(上海)有限公司は、日本国内54拠点、海外43か国に103拠点、100年近い歴史を誇る株式会社前川製作所の中国事業所である。中国大陸内でも上海、北京、広州、青島、大連に拠点を置き2024年には20周年を迎えた。
中心事業の産業用冷凍機並びに各種ガスコンプレッサーの製造販売は、新型コロナを機に自宅で食べるための冷凍食品が普及したことで、高い成長を遂げた。
今でも中国は日本や欧米に比べ冷凍食品の普及率が低い。マイナス数百度から90度まで非標準も含め対応できる技術の高さ、品質の安定性、手厚いサポートが評価されている当社は拡大する市場の中でも注目される企業だ。

導入前の課題

営業部内で知識や経験を効率的に共有できていなかった。

元々は各営業マンがエクセルで作成した見積もりを紙に印刷し上海に郵送して承認するという手続きをしていた。
「見積番号が重複しないように上海に電話し、最新の見積番号を確認していました。今、振り返ると、とても効率が悪かった」と中野総経理が言うように、全国の営業担当は、他の営業の見積作成内容はもちろん、作成状況もリアルタイムに共有できていなかった。
そのため、広州と上海で同じような顧客がいるのに、各営業は方向性の違う提案を作ってしまうなど営業部内で知識や経験を効率的に共有できていなかった。また各自が自身のPCでデータ管理していたため、参照までに時間がかかり、セキュリティ上にも不安があった。

前川迈坤国际贸易(上海)有限公司
総経理 中野 佑紀 氏

導入の決め手

「作業効率の向上、セキュリティの向上」という課題にピッタリ

人事総務を担当する胡氏は、kintoneの「エクセルや紙管理からクラウド上での管理」という説明を受けたときに「作業効率の向上、セキュリティの向上」という課題にピッタリだと感じた。

「いろいろと質問をしていく中で、様々な活用事例があることが分かり、今の目の前の課題だけでなく、全社的に効率化を進めていけると期待ができました。サイボウズの知名度が高いこともあり日本本社に申請した際にも、安心して承認してもらえました。」(胡氏)

財務ソフトの用友を使うことも比較検討したが、費用が高く、操作の柔軟性に欠けることからキントーンを採用することになった。

管理部長 尤 海龍 氏

管理部 胡 佳艶 氏
kintone導入推進担当。パートナー企業
上海天進ネットワーク社と連携しながら、冷静かつ迅速な対応で社内業務改善を牽引している。

導入の効果

もしキントーンが導入されていなかったら全国の営業業務が止まるリスクもあった

今までのエクセルと紙を使った申請手続きから、kintoneを使った「見積管理」「契約書管理」に移行する際には、説明会を開き、操作方法がずれないように丁寧に説明した。営業担当者は使い始めるとすぐに効果を実感し、「もっと、こうできないか?」というリクエストも増え、改善が進んだ。
「一番効果を感じたのは上海のロックダウンの時。もしkintoneが導入されていなかったら全国の営業業務が止まるリスクもあった。」(中野総経理)
kintone上で必要事項の自動入力などの機能を使い見積作成時間が早くなったことに加え、他の営業担当者の提案書を参考にもできるようになり訪問数も増え、営業提案書の質も上がった。
管理者は、クラウド化で承認作業が早くなっただけでなく、可視化された各営業担当者の行動を素早く把握でき、今まで以上に案件の中身について管理・指導がしやすくなった。
そしてデータ収集とまとめに時間がかかっていた日本側への報告書も、財務で利用している用友とkintoneを連携させレポートを自動作成できるようになった。

kintoneアプリ構成図

Before
以前の案件管理表。エクセルファイルで管理していた。
After
現在の案件管理表。常に最新の情報を確認できるようになった。

見積や契約、実行予算や支払の情報等と関連レコード機能を使って情報連携することで、案件の進捗状況がすぐに確認でき、また処理漏れや重複が防げるようになった

物流業務や人事・総務業務へ活用範囲を拡大、全社的な効率化に成功

そしてこれらの成果を元に物流部門での入出庫・在庫管理や人事管理へ活用範囲を拡げた。棚卸作業ではバーコード連携を導入することで、以前は複数人が目視で品番号を確認しながら行っていた作業が大幅に時間削減できた。
また人事業務では、業務日報を各種勤怠申請とデータ連携することで確認・集計作業の効率が大幅にアップ。全社的にめざましい効率化に成功した。

✔️ 棚卸作業では4時間かかっていた作業が30分に短縮されミスも激減
✔️ 人事部門では出張、休暇、残業、外出申請と業務管理表のデータをリンクさせることで1日かかっていた給与計算が1時間に短縮

出張申請アプリ

休暇申請アプリ。休暇取得履歴や残数を申請・承認時に確認できるようになった。

残業申請アプリ

月単位の勤怠を管理する業務管理表アプリ。
出張、休暇、残業、外出申請アプリの情報を連携、社員と人事部双方にとって整合性チェックが楽になり、時間削減につながっている。
このアプリで集計したデータを給与計算に利用している。

管理者はPrintCreatorで出力した表を確認し、承認を行う。
業務管理表アプリのOutputボタンをクリックすると承認者にとって必要な情報だけが出力されるため、無駄がなくなり承認作業が楽になった。
kintone上で承認すると電子印が押印される流れとなっている。

将来の展望

事業成長に欠かせない人材育成、顧客育成をkintoneを使って推し進めていく

中野総経理は次のように力強く語る。
「全社的に顧客に価値を生むための時間を、もっと増やさなければならない」
「現在は高い成長率を続けているが、中国企業の技術革新も速く、更なる付加価値を提供する必要がある。そのためには技術者や営業担当が今まで以上にお客様の声を聞く時間を増やす必要があり、経営課題の相談でも回答できるように知識見識を高めていかなければならない。」
「訪問や自己研鑽の時間を増やすためにも、更なる付帯業務の効率化を進めて時間を生み出していかなければならない。」

また胡氏は現在、人事評価業務をkintoneで行う準備を進めている。そして人事総務という部門を超え、各部門のキントーンによる効率化を推進してきた彼女の影響力は海を越えた先にまで拡がる。2023年から台湾事業所にもkintoneを導入し、胡氏が台湾のメンバーに指導しながら効率化を進めているのだ。

「事業成長に欠かせない人材育成、顧客育成をkintoneを使って推し進めていく」
中野総経理は、そういった後、胡氏に対して期待を込めた笑顔を投げかけた。

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