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佳能光学設備(上海)有限公司 様

現場でのチャレンジが、組織の協同と効率の飛躍をもたらす
伴走支援で取り組むDX業務改善と人材育成

【業務内容】

半導体製造装置、ディスプレイ製造装置、計測機器の販売支援およびアフターサービス

【利用用途】

出張管理、営業案件管理など

事業紹介

佳能光学設備(上海)有限公司(以下、CIE)は上海に本社を構え、21拠点・従業員約630名規模で事業を展開しています。半導体製造装置(露光装置、ダイボンダー、スパッタリング装置など)やディスプレイ製造装置(FPD露光装置、有機ELディスプレイ製造装置など)、計測機器(非接触測長計、ガルバノスキャナー等)を取扱い、本体販売支援からアフターサービスまでを担っています。







今回は、kintone導入の背景や導入後の活用推進の取り組みについて、リスクマネジメント推進室室長の坂本氏、営業部の李氏にお話を伺いました。

佳能光学設備(上海)有限公司
リスクマネジメント推進室 室長
坂本 忠義 氏

1980年代より半導体露光装置の組立・海外設置に従事し、オランダやドイツでの駐在経験を経て、2017年より現職。CIEにて内部統制・リスクマネジメント分野を幅広く統括している。

導入の経緯と決め手

kintone導入のきっかけは、2020年のコロナ禍でした。半導体・FPD製造装置の設置に伴い、日本を含む海外から多くのエンジニアが出張で来訪する中、出張者の状況を正確かつ迅速に把握する必要性が急激に高まりました。

当時はExcelで出張者情報を管理していましたが、月100名を超える出張者を扱う運用では、入力・更新・共有・集計の負荷が大きく、リアルタイム性にも限界がありました。こうした状況の中で、ノーコードで業務アプリを作ることができる kintone に出会いました。 「すぐに使える管理ツール」が求められていたため、短期間で立ち上げられる時間とコストの両面で優位性を感じた点が選定の決め手となりました。

導入後、出張者管理アプリは段階的に改善を継続。初期は「入国後の渡航管理」を目的に運用を開始し、コロナ対応項目の追加・削除を経て、現在はデータ登録の効率化やアプリ構成の最適化(V4)に取り組んでいます。

Before

After


Ver.2の出張管理アプリ。管理項目が一番多く、必要な管理要件に合わせて即座にアプリの修正を繰り返して運用を行った。ゼロコロナ政策終了後は、Ver.3にアップデートを行い、必要な管理項目だけに絞ってスリム化を行った。

出張者管理の運用が軌道に乗ってきた頃、「kintone=出張者管理」の用途に留まるのはもったいないという課題意識が生まれました。

「ノーコードの利点を活かし、アカウントを持っているメンバーに自部門の業務改善でも活用してもらえないだろうか?と考えるようになりました。しかし勝手に自然とアプリ構築の技術を身につけることは難しいため、勉強会を開催してアプリ構築ができるレベルまで一気に底上げすることにしました。」(坂本氏)

勉強会の開催に関しては、自社だけだと運用が難しいと判断し、サイボウズへ相談。サイボウズが伴走する形で共同で企画・開催し、スピード感を持って質の高い研修プログラムの設計を実現しました。

伴走支援の効果

目標を明確に設定し、丁寧なフォローアップ体制で育成を推進

勉強会は、各地域の業務推進部門・営業・技術・管理部門から参加者をアサインし、全11回/3ヶ月(各回2時間)の構成で実施。講義では「顧客管理」「案件管理」の2つの講義用アプリを作りながら、基礎から実践まで段階的に学べる設計としました。最終目標は明確に、「自分の担当業務でkintone化できるものを、実際にアプリとして作って持ち帰ること」と設定しました。

カリキュラムは、基本機能、アプリ間連携(Lookup・関連レコード・共有ボタン)、一覧/グラフ、入出力、プロセス管理、権限・通知、計算式・関数、プラグインまでを網羅し、後半は各部門の実業務アプリ制作に時間を充てました。運営面では、勉強会専用スペースで情報を一元共有し、出欠確認アプリや資料・動画倉庫アプリを活用して参加しやすい仕組みを整えました。

参加者アンケートでは満足度が高く、説明のわかりやすさや質問への対応スピードが評価されました。一方で「オンラインだと理解が難しい」「難しく感じる回もあった」という声もありましたが、フォローアップを丁寧に行ったことで当初設定した最終目標は達成されました。





現場でのチャレンジが、組織の協同と効率の飛躍をもたらす

勉強会に参加した営業部の李氏は早速kintoneを活用して自部門の業務改善に着手、バラバラに管理されていた情報を一元管理し、営業活動の効率化と生産性アップに取り組んだ。

Before
保存されている資料に閲覧制限あり、情報バラバラで集計作業にも時間がかかるし、顧客案件情報把握には同じチームの状況でさえ、リアルタイムに把握できませんでした。
After
kintoneに編集・共有・管理した情報が一箇所に集まることで、集計が楽々でき、案件全体の見える化が実現できた。
情報共有の質とスピードも同時に上げられ、他部門との連携強化が図れた。

まずは顧客案件の一元管理を目的に、「全事業装置一覧アプリ」を構築した。装置を軸に関連データを集約し、記録追加や変更通知によって進捗をリアルタイムに把握できる設計を実現。さらに保証期限のカウントダウン通知により、対応漏れをゼロに近づける運用も可能になりました。加えて、集まったデータを活用してグラフ化し、装置全体情報を可視化することで、分析や戦略活動に活用できる仕組みを構築しました。

李氏は一連の制作プロセスでの”How”も共有下さった。「データクレンジングと移行(データ品質がシステムの生命線)」→「ユーザー受入テストによる改善意見収集(現場の習慣に合わせることが肝心)」→「正式切替(全体切替と手動バックアップ)」というステップで営業部門でのプロセスを実行。結果として、データメンテナンスの簡易化や顧客情報のマスタアプリ化、社内システム連携など、多面的な利便性向上につながりました。

将来的には、顧客基本情報・装置稼働状況・商談履歴をつなげ、顧客別の案件業務をOne-Stopで見える化することにもチャレンジしていきたいとのことだ。

勉強会の参加から現在までを振り返り、李氏は「初めは疑っていたが、今はとてもkintoneを好きになりました。」と笑顔で語った。
✔️ 勉強会に参加して、自分が抱えている課題を解決する決心がついた。
✔️ ノーコードツールのkintoneなら、使いながら改善できるので、アプリ制作の楽しさを感じた。
✔️ 勉強会後で壁にぶち当たったとき、講師から手厚いサポートをしていただいたことで信頼感が生まれ、業務課題が出てくると、まずはkintoneで解決できないか考えるようになった。

最後に、アドバイスをいただきました。
「広範囲を追求するより、核心的な痛みに焦点を当てて取り組んでみてください。この過程はチャレンジに満ちていますが、『痛くて楽しいデジタル再生』で組織の協同と効率の飛躍を必ずもたらします。」(李氏)

伴走支援の存在が、業務改善の一歩を踏み出す後押しに

今回の取り組みで坂本氏は「伴走支援があったからこそ、現場に広げられた」と強調する。
「kintoneの活用を広げるには、まず“便利さ”を体験し、業務課題の解決に使えるという実感を持ってもらう必要があります。しかし、社内だけで利用者を増やすのは簡単ではありません。指導する時間が取れない、教え方が分からない、といった壁があるためです。

また勉強会では、現場で手取り足取りの支援を受けながらアプリ制作まで到達できたことで、参加者が自信を持ち、日頃の業務課題にkintoneを活用しようというモチベーションが生まれました。その結果、kintone利用者の増加だけでなく、業務改善に踏み出すきっかけづくりにもつながっています。」(坂本氏)

自社だけではなく、サイボウズと共に取り組むことで、現場メンバーのアプリ構築スキルの向上にとどまらず、業務改善へのモチベーション向上という側面にも良い結果が発揮された。

将来の展望

とはいえ、まだまだ限定的な活用範囲にとどまっていると坂本氏は感じている。今後は、さらなる拡大に向けて、
1)ガバナンス体制の構築(野良アプリ防止とアプリ管理)
2)ルール整備(運用・管理ルールの制定)
3)利用者拡大(引き続き“伴走”しながら浸透)
4)社内システム連携(基幹を補完する領域での活用)
    の推進に取り組んでいく方針だ。
実際に2026年2月にはkintone管理ガイドラインを制定し、アカウント管理・アプリ管理・スペース管理・システム管理のルールを整備するなど、運用の土台づくりに早速取り組み始めている。

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