【業務内容】
食品
【利用用途】
顧客管理、オーダー管理、在庫管理、回収管理
アミノ酸をコアに「食」「バイオ・ファイン」「医薬・健康」の三つの分野が重なりあいながら拡大する、世界に類を見ない食品企業として活躍している味の素グループ。その中で中国にて食品分野における生産・開発・販売・マーケティングを一手に引き受けているのが「上海味の素調味品有限公司」だ。
「上海味の素調味品有限公司」では中国全土の食品市場をターゲットに生産から販売まで一丸となって取り組むための情報プラットフォームとして2014年よりkintone を活用している。
今回は同社のリテール部長 中柴裕氏、リテール部副部長兼全国販売総監 宋广民氏、リテール部マーケティング科長 片山雄平氏、同マーケティング科 张丽娟氏に話を伺った。
アミノ酸をコアに「食」「バイオ・ファイン」「医薬・健康」の三つの分野が重なりあいながら拡大する、世界に類を見ない企業として活躍している味の素グループ。昆布から生成されたグルタミン酸が主成分の「うま味」の製品化から当社の発展は始まり、現在ではグローバルで「うま味」を中心とする各種製品を提供している。
味の素グループの食品事業の特徴は、その根幹である「うま味」に加え、提供する地域に合わせた独自の製品そしてサービスだ。実際、味の素は世界各国に数十もの研究所や工場を構え、各国の志向にあわせた製品を開発している。中国でもそれは同様だ。
中国では、食品に関する生産及び販売を上海味の素調味品有限公司が行っている。
「中国は既に経済大国であり、ある分野においては世界最先端の技術をも有しています。一方、未だ地域間格差も大きく、そういう点でも一言で中国を語ることは難しく、非常に複雑な市場であると捉えています。その中国おいて、味の素グループの持つ技術・知見を駆使し、お客様の課題を解決、貢献していくことが当社の使命と考えています。現地に近いところで事業活動することは当社グループの特徴ですが、それは中国でも同様であり、日本人スタッフも中国人スタッフもできる限りお客様先に足を運びます。中国ではお客様の課題・ニーズが常に変化し、またそのスピードは早いですので、変化をいち早く把握し、より良いソリューションを開発・提供していくことが重要と感じています。」中柴氏
上海味の素調味品有限公司は、2002年の創業当初は生産を行うための会社だった。しかし、中国の顧客の情報を会社全体で咀嚼し、形にするために2014年4月に、別々の法人に点在していた生産・開発・販売・マーケティング機能を同社へ統合した。
体制が整ったため、今度は各組織の情報を共有する情報プラットフォームが必要となった。そのプラットフォームになったのは kintone だ。
「中国は国土が広大なため、同じ料理でも地域により味付けや調理方法が大きく異なります。よって、一つの製品やソリューションで全てのお客様に満足頂くことは困難です。kintone という情報プラットフォームを活用して全国各地のお客様の課題やマーケット情報を収集し、関連部門が連携しながら解決策を考える。kintoneを導入したことで営業活動が効率されたことに加え、営業活動の高度化を実現することができました。」(中柴氏)
リテール部長 中柴裕氏
上海味の素調味品の営業部門が課せられている目標は大まかに以下の3点だ。 「まず一つ目は、当社製品を新たにお使い頂けるお客様を増やすこと。二つ目は、お客様に1つの製品ではなく、複数の製品ご利用頂けるようにすること。そして3つ目は、お使い頂いている一つ一つの製品の使用量を増やして頂けるようにすること。この3つに繋がるような提案をお客様へ行うことが営業部門の仕事です。営業部門はお客様の窓口となる組織ですので、如何に当社のファンになって頂けるかを常に考え仕事をしています。」(宋氏)
kintone はこれらの活動の中で活用されている。営業スタッフが顧客に訪問した際もその様子の写真でとり、その場で報告を上げる。また、新製品の試食勉強会等の情報も写真を使って共有されている。 これらの情報は営業組織だけでなく、開発・マーケティング部門にも共有されるのが特徴だ。これらの情報をもとに、製品開発・プロモーションプランニングが行われる。
リテール部副部長兼全国販売総監
宋广民氏
営業の一部は調理師免許をもっている
kintone 導入以前は電話やメールを使った情報共有が主であった。
「お客様からのヒアリング結果等は、以前は営業スタッフから紙やメールで報告されていたため、我々マーケティング部門ではその情報を収集するのが大変でした。また営業スタッフも、報告の手間が非常にかかっていました。今は、kintoneを使い、営業スタッフはいつでもどこでもマーケットの情報をアップロードしています。kintone を導入することで、営業部門もマーケティング部門も大変便利になり、業務効率が改善しました。」(张氏)
リテール部マーケティング科
張丽娟氏
ディストリビューター先で。陳列状況や他社製品も写真を撮り共有する。
一例を紹介しよう。
「中国における食肉の喫食量は年々増加していますが、一方食肉価格は年々上昇しています。飲食店では素材のコストアップは利益減へ直結いたしますし、飲食店にいらっしゃるお客様にとってもメニューの値上げは避けてほしいところです。そこで当社は食肉を美味しくかつリーズナブルな価格で提供できる調味料の開発を始めました。」
「牛肉は焼くと縮みます。一般的に、牛肉は焼成工程を経ると約20%程度量が減るとも言われています。弊社では、焼成工程を通じた肉量減少課題というお客様の課題を解決すべく逓減率を抑えかつ肉そのものを柔らかくするといった機能を持つ調味料を2014年に開発致しました。当社実験ではこちらの製品を使いますと焼成後の逓減率が10%以下になるとのデータも出ています。製品発売後、現在では多くの皆様にご利用頂いておりますが、実際の使用実態についてお客様へインタビューさせて頂き、製品の活用事例としてもご紹介させて頂いております。」(片山氏)
肉用調理料の紹介資料。営業の提案ノウハウが詰まっている。
営業がその資料をどのように利用しているかはすべて kintone に蓄積されている。実績は好調だ。
採用実績は着実に上昇してきている。
「全国各地に点在する営業の情報が kintone に一元的に集まってくるためスピーディに打ち手が検討できます。つまり「PDCAサイクル」を早く回せるようになったという点において、kintoneのマーケティングツールとしての価値は大きいですね。」(中柴氏)
「味の素グループは、2020年にグローバル食品メーカーのトップ10入りをすることを目標としています。そのために海外事業を更に拡大、当社もその一翼を担うべく日々業務を行っております。当社独自の製品・サービスの提供を通じて今後も中国のお客様の更なる価値向上へ貢献していきます。」(中柴氏)