中国市場を攻め続ける新たな組織マネジメント

日系企業 300 社が参加。

「世界の工場」と呼ばれてきた中国が、いま大きな変化を迎えている。人件費の高騰によって、「工場」としての成長に陰りがみられるようになったのだ。厳しい市場である中国から撤退・縮小する日系企業も散見されるようになってきている。
一方で、これからの中国は巨大なマーケットとしての新たな役割が期待されている。それに伴い、質の高いサービスを提供するための組織マネジメントの重要性が年々高くなっていると言われている。そんな中で、長期にわたり、中国でビジネスを続けられてきた「好侍食品(中国)投資有限公司(ハウス食品)」「朝日啤酒(中国)投資有限公司(アサヒビール)」の 2社に、その取り組みについて講演いただいた。

サイボウズの考えるチームワーク

サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野 慶久

チームあるところにサイボウズあり

サイボウズは、日本で導入企業数トップシェアのグループウェアメーカー。中国でも7年間に渡ってサービスを提供しており、400社を超える日系企業様にサービス提供できるまでとなった。まずは、サイボウズの考えるチームワークについて、サイボウズ株式会社代表取締役社長の青野から紹介した。

サイボウズ株式会社|青野 慶久

「グループウェアはチームワークを向上させるためのツールです。サイボウズでは、グループウェアの開発を通して、世界中のチームワーク向上に貢献することを目指しています。チームとは一体何でしょうか?メンバーがいて、共通のビジョンを持ち、役割分担をしながら、相互に依存する。これがチームの学術的な定義です。ところが最近はチームの在り方が多様化しています。全員が同じ場所や同じ時間帯では働けるとは限らない。日本人だけじゃないかも知れない。多様化するチームを助けるのがITです。」

クラウド化による変化

さらに、クラウドによって、グループウェアを始めとしたシステムを導入するための負担が減っていることについて解説した。

「今まで以上に多くの人のチームワーク向上に貢献します。クラウドでの情報共有は、働き方の多様化を進め、より強い企業文化の醸成に役立ちます。」

中国市場を攻めるための組織づくり~カレーライスを人民食に~

好侍食品(中国)投資有限公司(ハウス食品) 董事長 野村 孝志 氏

カレーライスを人民食に。
食文化の壁を越えて

「ハウス食品のことを、中国で成功している企業と思っている方がおられるようですが、それは大きな勘違いです。まだ発展途上です。一歩一歩なんです。」このように始めた野村氏。
中間層の増加により、中国のマーケットは拡大している。カレーの生産量拡大にはいまや中国市場の開拓が不可欠だ。

ハウス食品 中国 野村董事長

ところが、もともと中国には、カレーライスを食べる文化がなかった。そのため、ハウス食品は、「カレーライスを人民食に」というわかりやすいスローガンを掲げ、中国市場の開拓を続けている。

常に学んで成長し 自ら未来を切り拓く「敢想敢做ガンシャンガンズォ

中国におけるハウス食品の事業は、カレーを食べてもらう機会を増やすことが中心だ。カレー教室や試食会を開催したり、小売店で目を引く什器を置いてもらったりと、さまざまな場面でカレーに触れてもらう機会を作っているという。こうした活動を中国各地で行うため、営業社員を2年で20名から100名に増員した。「社員数も営業エリアも拡大する中、本部のある上海ですべて管理するのは不可能です。だから、各地域の営業に自ら考えて行動してもらうことが大事。そして、社員全体のレベルアップが、実績のレベルアップにつながります。」

“OKY“おれらは ここで やり切ってやる

OKY(オーケーワイ)とは、「お前が ここに来て やってみろ」の頭文字で、現地の現状が日本本社になかなか理解されない不満を表した合言葉。駐在員として中国に勤務している日本人なら誰でも知っているほど有名なこの「OKY」について、野村氏は「そう言いたくなる気持ちもわかる」としながら、こう語った。「駐在でいることの大きなメリットは、自分で考えて行動できること。せっかく中国にきたのだから、『お前が ここに来て やってみろ』ではなく『おれらは ここで やり切ってやる』と思って欲しい。」こうした前向きな気持ちを持つことが、厳しい環境の中で一歩一歩の発展の歴史を作ってきたのかもしれない。

継続的に高いモチベーションを維持するチームの挑戦事例

好侍食品(中国)投資有限公司(ハウス食品)経営企画部統括部長 堂上 貴幸氏

動画:https://www.youtube.com/watch?v=Vwsx54ZnmSA

敢想敢做ガンシャンガンズォ」を実現する人財教育

ハウス食品では、中国語で「敢想敢做ガンシャンガンズォ」というキーワードを掲げ、社員の教育に力を入れている。「敢想敢做ガンシャンガンズォ」とは、「自分でやるべきことを判断し、チャレンジする」という意味だ。これを実現するためには、人【財】強化が必要である。

ハウス食品 中国 堂上統括部長

双方向の情報共有を求めて「サイボウズ ガルーン」を導入

営業社員の人数や営業拠点が増える中で、情報共有のプラットフォームが必要になり「ガルーン」を導入した。導入の決め手は、クラウドサービスであることと、低コストであることだったという。
「営業活動の成功事例を共有するために、掲示板をよく使っています。店頭の陳列方法の紹介など良い書き込みがあれば、コメント欄を使ってみんなが褒めます。老板ラオバン(経営者)が褒めてくれるとやっぱりうれしい。そして、その様子を他の営業社員も参考にしています。どういう活動をすると褒められるかがわかるので、みんな同じ活動をするようになりました。」こうしたグループウェアを活用した成功事例の共有が、営業社員一人ひとりの成長につながっている。

これからも、人財育成に力を入れたい

中国でのカレーライスのリピート率は60~70%と高い。堂上氏は、「日本式のカレーライスという新しい食文化が、市場から受けられているという手応えを感じている。」という。そのため、現在は新規顧客への認知向上に力を入れている。新規エリアや新しいユーザー層の開拓のため、今後も人財育成に力を入れる。

■導入事例 - ハウス食品(中国)投資社
http://cybozu.co.jp/casestudy/example/housefoods/
■ハウス食品様がご利用の「ガルーン」とは?
http://www.cybozu.cn/jp/product/kintone/

変化するビジネス環境にいち早く適合するチームの挑戦事例

朝日啤酒(中国)投資有限公司(アサヒビール)営業企画部長 祈 秀章氏

動画:https://www.youtube.com/watch?v=oB1bNj0f_U0

中国の「プレミアムビール」市場とは

祈氏には、中国でのプレミアムビール市場についての取り組みをうかがった。中国のビール市場は世界一。その消費量は、約5000万キロリットルに上る。これは、日本の約10倍、アメリカの約2倍の消費量だ。そんな巨大な中国のビール市場の中でも、アサヒビールは「プレミアムビール」市場(高価格帯)に注力しているという。

アサヒビール(中国) 祈様

中国のプレミアムビール市場は、それだけで約250万キロリットルと、日本のビール市場全体の半分を占めるほど大きな市場。しかも拡大を続けている。そのため、プレミアムビール市場には、欧米の著名なビールブランドも注力しており、プレミアムビールを取り扱う飲食店では、複数のドラフトビールを取り扱っていることが多い。顧客から、銘柄を指定した注文を取るために、これまで以上にアサヒのロゴ入りのジョッキやポスターなどの販促品の重要度が増している。

市場開拓における3つの課題

アサヒビールにおける中国のプレミアムビール市場の開拓には、3つの課題があったという。

  • 1. 販促品を有効活用できていない
  • 2. 販促品管理が煩雑になっていた
  • 3. 得意先情報をそれぞれの営業担当しか把握できていなかった

これらの課題を解決するために「kintone」を活用することにした。
「『kintone』で作成した得意先マスタ、販促品マスタをベースに、販促品配送システムを『kintone』で構築しました。これによって、販促品の送付手続を、アサヒビール、ホシザキ電機様、ヤマト運輸様の3社で『kintone』上で行うようにしました。」 配送依頼から発送までの業務がシステム化されたことによって、販促品の配送業務に関わるメンバーの負担が減っただけではなく、配送の遅延や配送ミスもなくなったのだという。

今後は「kintone」の活用範囲を広げたい

得意先情報の管理や販促品情報の管理ができるようになったアサヒビール中国。今後は回報記録管理や売上データ分析まで行う予定があるそうだ。

■導入事例 - 朝日啤酒(中国)投資有限公司
https://kintone.cybozu.com/jp/case/introduction17.html
■アサヒビール様がご利用の「kintone」とは?
http://www.cybozu.cn/jp/product/garoon/

懇親会

カレーライス・生ビール・浴衣で日本の夏

セミナー後の懇親会も大変な盛り上がりを見せた。懇親会では「日本の夏」を感じていただくため、「カレー(ハウス食品様)」「生ビール(アサヒビール様)」を準備し、浴衣姿のサイボウズ上海スタッフがお出迎えした。

浴衣姿のサイボウズ上海スタッフ

貴重な情報交換の場に

講演された 3 方には、名刺交換を希望される参加者が後を絶たず、また、参加者同士での情報交換も活発に行われていた。貴重な情報交換の場となったようだ

懇親会時のデモコーナー

セミナーを終えて

98%の参加者が満足

参加者からのアンケート結果をみると、98%の参加者が満足していたことが明らかになった。厳しい中国市場での、2社のお話に共感することがあったものと思われる。

セミナーの満足度

また、自由回答欄には以下のようなコメントがみられた。

  • このような情報提供の場を定期的に設けてほしい
  • ビジネスの上でのヒントがえられた
  • 3社様の本音・正直なお話をうかがえる貴重なセミナーでした。

これらのことから、在中日系企業のマネジメント層は情報を欲しているということがいえそうだ。

中国ビジネスでの課題とは

組織マネジメントにおいて抱えている課題は以下のとおり

組織マネジメントにおける課題

回答が多かった課題は以下のとおり

  • 業務フローが不明確
  • ノウハウが蓄積できない
  • 従業員の活動が把握できない

多くの参加者が複数の項目に回答しており、中国でのマネジメントの厳しさがうかがえる

最後に

サイボウズ上海では、マネジメントのためのコミュニケーションツールを 提供しています。在中日系企業様に対する提案活動を行っており、 その数は年間で1500社を超えます。 年間で1500社を超えるお客様に提案活動を行っている実績から 他社のお悩みや改善事例も交えてお話できるかと思われます。 ご興味・お悩みがあればお気軽にご相談ください。

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本セミナーの詳しい資料をご用意しております。お気軽にお問い合わせください。

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ご参加頂いたお客様の声

中国大陸での商売の難しさを体験されたお話体験参考になりました。

非常に勉強になりました。

「中国で」というキーワードで興味のある内容でよいと思った。

サイボウズの製品は顧客が活用事例を通じて紹介し、説得力を感じます。

効率よく運営されていた。

3社様の本音・正直なお話をうかがえる貴重なセミナーでした。ありがとうございました。

弊社が現在使用している kintone の更なる活用法について参考になる点が得られたから。

具体的な活用例はわかりやすかった。

異業種の話ではありましたが参考になりました。

香港に導入を検討したいと考えています。

内容も全体流れもいい。

とても大規模なイベントでオーガナイズされるのも大変だったと創造します。でもとてもきちんと対応されていて、すごいと思いました。またビデオ部分はさすがプロという感じで見ごたえがありまました。ほんとにありがとうございました。

kintoneの運用方法について具体的に相談のってください。

こうした具体的な講演会を続けていって下さい。

中小企業でも十分利用価値があるかと思いました。今までは大企業のみかなぁ…と思っていましたので。上司にも話をしてみようと。

対応が非常に良かったです。