kintoneを導入して月231時間の削減に成功、
メンバーの表情も明るくなった営業業務改善とは
尼得科東測動力系統(上海)有限公司  計測営業部  部長  竹下 一人 氏
竹下氏:皆さん、こんにちは。今日は暑い中、お越しくださりありがとうございます。弊社の導入事例を紹介させていただきます。尼得科東測動力系統(上海)有限公司(日本語社名:ニデックトーソクパワートレインシステムズ)の竹下と申します。本日はよろしくお願いいたします。

私は2003年より中国駐在スタートしました。当時は大連開発区の日系電子部品メーカーで5年ほど駐在し、一旦日本へ帰国しました。帰国後に当時のニデックトーソクに入社し、現在に至っています。途中事業移管があり、2012年頃に当時のニデックドライブテクノロジー社(旧社名:シンポ)へ出向していた期間がありましたが、またその後2016年8月からニデックパワートレインシステムズへ戻りました。
神奈川県生まれで子どもが二人おりまして、休日は一緒にテニスをしています。

トーソクは元々日産自動車の関係会社でしたが、90年代にニデックグループ入りをしました。現在上海オフィスには300名ほどのグループ社員が在籍しています。現在はグループ会社でシナジー効果をあげるために、グループ会社が一つの場所に集まって仕事をしています。

計測機器事業では、計測装置、画像処理装置、3Dスキャナ、そしてコンプレッサ用芯出し機を扱っています。主にエアコンの中に入っているコンプレッサー部品を芯出しする装置ですが、エアコンの部品の一部だと思ってもらえればわかりやすいと思います。
計測機器事業 エクセルとメールが中心の業務で情報収集に莫大な時間がかかり、なんとかしたいと思っていた 竹下氏:導入前の課題ですが、以前はエクセルを使っていたので非常に作業が煩雑になっていたり、またメールを使って業務を進めていたので、特定の方としか情報共有ができていなかったりと、情報収集に莫大な時間がかかってしまっていました。また提出された資料の数字のミスが多かったなど、課題をとても感じていました。各部署がストレスを感じて仕事をしていたので、どうにかしたいな...と思っていた時に出会ったのがkintoneでした。
導入前の課題 カスタマイズの柔軟性とコストの安さが導入の決め手だった 竹下氏:事業の特性上、システムのカスタマイズが必要になってきてしまうため、他社製品と比較した時にkintoneだと柔軟にカスタマイズができることがわかったので決め手の一つになりました。顧客登録〜引合い登録〜入金確認までの一連の流れをキントーンで管理しています。
また、コスト面でも世界的に有名な某サービスと比較をしたところ、kintoneだと3分の1程度の費用でやりたいことが実現できることがわかったので迷わず選定しました。

そして導入する前には、サイボウズ担当者に何10回?おそらく50回くらいはオフィスに来てもらい、入念な打ち合わせを行いました。導入前にテスト環境で実際のシステムの動きを一緒に確認して、トライアンドエラーを行いながら、これで導入が進められるということを確認した上でスタートすることができました。
カスタマイズの柔軟性
パートナーとしての信頼性
導入目的の一つは営業数字をリアルタイムで見れるようにすることだった 竹下氏:顧客登録から入金回収までの情報をしっかり記録して、営業アプリを一元化したいという目的がありました。また弊社は業績に非常に厳しい会社ですので、数字がリアルタイムで見えることが目的の一つでした。この辺りはやはりエクセル運用では難しかったです。 竹下氏 まずは案件進捗アプリから作成を始めました。お客様の引き合い情報を登録し、プロセスが進む毎に関連プロセスのボタンを押して進捗を進めていきます。
案件進捗アプリ
弊社の装置の特徴ですが、お客様と仕様を握り、コスト計算をしないといけません。そこで使うのが「原価構想依頼アプリ」です。ここでうまくいくと、次は「見積登録」アプリに進みます。そして受注をいただけると「受注登録」「PO登録」を進める。そしてモノづくりが終わったら「開票申請登録」を進める。また、お客様からサンプルをもらって、お客様の要望を満たせるか見極めるための評価依頼のプロセスも「評価依頼」アプリから回せるようにボタンを設置しています。

営業がお客様の情報をとって登録していきます。昔、エクセルでやっていた時代は必須項目が設定できなかったので情報が足らず再度取り直す必要があったり、お客様の方からも設計者の話がよくわからないといった問い合わせがあったりして、なかなか情報を取ることが大変でした。kintoneでは営業記入欄と設計記入欄を分けて記入内容を明確にする工夫を行い、コメント機能を活用して不明点はすぐに確認して仕事を進めていけるようになりました。さらには原価と収益見込みの計算もこのアプリで実現しました。
見積構想依頼書アプリ
受注登録アプリ
お客様から注文をいただけたら、「受注登録」アプリに進みます。お客様の信用度調査を調査会社に依頼し、与信限度額を決定します。このプロセスも「与信管理」アプリで進めています。そして開票申請についてもアプリに必要情報を入力し、プロセスを回します。ここのプロセスが完了すると、外部機関に開票依頼を行うという流れです。
そして最後に入金管理アプリです。入金が終わらないと営業の仕事も終わりません。開票した金額が入金アプリに紐付けされて入ってくる仕様です。当月の売掛金や滞留金額の合計をリアルタイムで表示しています。当月回収しなければいけない金額と回収済の金額を常に最新の情報を確認できるようにしています。
ちなみに、担当者が見ると担当者自身の金額、管理者が見るとグループ全体の金額が見れるように構築しました。
入金管理アプリ
月231時間の削減に成功、社員も疲れた表情からやる気に満ちた表情に変化が 竹下氏 竹下氏:とにかく以前は最新の情報を取ることにとても時間がかかっていました。数字に厳しい環境のため、見込みに対して実績が乖離していた場合にはどうやって挽回するのかと説明を求められますが、以前だと莫大な情報の中から必要な情報を探して対策を練るという非常に苦しい状況がありました。社員も毎日遅くまで仕事をしないといけず、皆疲弊していました。

kintoneを導入し、22名で換算してみると月231時間の削減に成功しました。みんな大分楽になったと思います。実際、疲れた表情からやる気に満ちた表情が見られるようになりました。 報告作成時間が大幅削減、日足管理も可能 そして弊社は浙江省に工場があり、上海と広州に営業所があるため、営業員がオフィスに戻ってからしか作業ができないとなると非常に効率が悪い。kintoneだとスマートフォンからも登録・確認ができますので、その点でも非常に効率が高くなったと思います。
プロセスの可視化により営業効率も向上 竹下氏:スマートフォンから登録ができ、必須項目を設定して管理層が絶対に欲しい情報を確実に取れるようにしてプロレスを明確に設定することで営業の効率が向上しました。そして、情報の確認を行う習慣が営業員についてきたので、何を目的としてこの情報を入力しないといけないのかがわかってきています。

そして「報告作成の効率化」や「営業自体の生産性改善」にもよい影響がでてきています。
システムを入れて終わりではなく、入れてから日々発生する問題についてどんどん改善を行っていけるというところがkintoneの特徴だと思っています。そして1個のアプリでも100個のアプリでも価格は同じですので、弊社としてはコストパフォーマンスもいいと感じています。
\ 発表は以上となります。ありがとうございました。 /
竹下氏
ケイレイ
MC 謝慧玲
(以下、ケイレイ)
竹下さん、ありがとうございました!皆さんもう一度拍手をお願いします。素晴らしい発表でした。いくつか質問をさせてください。
入金アプリが気になります、と質問をいただいています。回答できる範囲でさらに教えていただけますか?
竹下氏
竹下氏
入金しないとキャッシュフローが回らないので非常に大切な部分です。中国のお客様からお金を回収するのはなかなか大変です。
入金アプリには装置の納入日、検収日、検収合格された時のエビデンス資料を全部登録しています。そして契約書の条件をアプリに登録して回収のスケジュール管理を行なっています。担当営業はそこをフォローするだけでよいようにしていて、お客様には理論責めで回収を促しています。
ケイレイ
ケイレイ
kintone導入に際して、特に大変だった部分とどうやって乗り越えたのかを教えてください。
竹下氏
竹下氏
大変だった部分はやはり情報収集の部分です。日本と上海と工場の三拠点からプロセスに関しての情報を取らないといけないが、実際現場にいくと現場のルールで仕事をされていることが多く。プロセスコントロールマニュアル、規定類はありますが、実際は別のやり方の方が効率が良いということで、現場ルールで動いていることが散見されていました。そこで、「何に困っていますか?」と現場に行って丁寧に話を聞き、では一緒に改善しませんか?という形で情報を聞き出して改善を進めていきました。
ケイレイ
ケイレイ
kintoneを導入して現場の方からはどのような声がありましたか?
竹下氏
竹下氏
情報を見れるようになった点、またPCでやる仕事が減ってスマートフォンで仕事ができるようになって生産性が上がったという喜びの声がありました。
ケイレイ
ケイレイ
ありがとうございます。導入前は現場の皆さんと向き合い丁寧な情報収集から始められ、導入後は顧客登録から入金管理まで営業アプリを一元化された活用事例は非常に参考になる事例だと思いました。本日はありがとうございました!