井土氏:皆さん、こんにちは。浜正の井土です。本日は、kintoneで部門を超えた全社での情報共有というテーマで発表したいと思います。
事業紹介と自己紹介をさせていただきます。
改めまして、私、井土浩一と申します。井土の「井」に「土」と書いて井土と言います。よく井上さんに間違えられます。出身は大阪の東大阪市です。
中国駐在歴は今年で20年目を迎え、昨年より蘇州日商クラブの理事も務めさせていただいています。趣味は靴磨きです。中国ではなかなか理想的な革靴に出会えないため、靴磨きの技術を習得しました。他にもソフトボールやゴルフの運動が大好きです。

株式会社浜正は大阪で誕生して64年目の企業です。主に伝導機器の卸商社という位置付けで、大阪以外に西は福岡、東は東京、千葉、横浜といった形で全国展開しています。
事業は大きく三つに分かれています。ベアリングの卸販売など部品販売のMRO、ベアリングの卸販売の在庫量を西日本で一番多く抱える商社と定評があります。そしてロボットや自動化設備販売のFA事業、環境改善や製缶事業などモノづくりのエンジニアリング事業です。昨今は人件費の高騰や労働力の安定をテーマにFA事業に注力しています。

次に浜正蘇州は蘇州の新区に日系第一号に登記された貿易会社です。今期で18期目、従業員は現在57名、年商40億円くらいの規模で事業を展開しております。注力事業は安全柵がなくてもロボットが使える「協働ロボット」の販売や工場の倉庫から設備までの搬送を無人化できる「AMR」の販売を行っており、最近では日本への輸出販売を手掛けており、社内のロボットエンジニアと共に販売とサービスを一体となって運営しているのが浜正蘇州の特徴となっております。
そんな浜正がkintoneに出会って、導入をして効果を得るまでの説明をさせていただきます。
システム化にはトップのリーダーシップが重要?あれもこれもとやりたい欲が...
井土氏:従来、日報など報告業務は口頭やメール、予実管理はエクセルで行なっていたため、入力ミスや公式崩れなどのミスがよく発生していました。そんな中、案件管理と紐付けることができるSFAツールを見つけて導入しました。当時はシステムの導入はトップがしっかりしていれば進むものだと考えていたため、自分が頑張れば上手く進むのかなと感じていました。しかしシステム素人だった私は、あれもしたいこれもしたいと非常にシステムを複雑にしてしまいました。結果、スタート時の完成度は50点くらい。使い続けていればいずれ100点に辿り着くかもしれないと期待しましたが、思うようにはいきませんでした。
ここからは当時のシステムでの運用を少しご紹介します。当時のシステムの「案件に行動が紐づく」という概念にとても賛同し導入を進めましたが、二点難しい点がありました。一つ目は、日報登録ではPC入力が中心で報連相が遅れがちで、思うように入力が進みませんでした。二点目は、予実管理では成約後に入力する傾向だったため生きた案件把握にはなりませんでした。

当時のフローは、顧客登録→案件登録→行動登録という流れになっていましたが、弊社はエンジニアリング商社で多くの取引先、多くの商材を扱うため、見込み案件の状態では案件登録が難しいという問題にぶち当たりました。新たな区分を作るなど仕様変更を試みて再チャレンジしましたが、案件や予実管理と情報連携ができず当初想定していた活用を実現することはできませんでした。
SFAを活用して営業改善効果を導き出すために、当時は運用レベルを4段階に定義しましたが、ステップStep2で挫折。頭打ちを感じたまま、この間6年間が経過しました...

そんな中、グループ会社で使っているシステムをみる機会が偶然あり、とても動きがスムーズかつ自分でアプリを作れるシステムだということを知って驚きと同時に今まで抱えていたストレスを一気に解消させるツールになるんじゃないかと感じた。それがkintoneとの出会いでした。
自ら手を挙げてくれたやる気のある社員に任せてやってみる。トライアンドエラーの精神で運用スタート
井土氏:まずやる気のある社員に声をかけてみました。その時手を挙げてくれたのが入社4年目の李珣さんです。しかし当時の浜正蘇州は、“やる気はあるが、システム素人”。彼女であればうまくやっていけると確信したので抜擢し、プロジェクト化を決めました。
また「作ってダメだったらまたやり直せる。変更履歴がすぐ確認できる。」というサイボウズのアドバイスを聞き、トライアンドエラーの精神で初めから高得点を目指さなくてもいいのだ、スモールスタートでいいじゃないかと気付かされました。
課題だった「顧客登録〜予実管理」までを一本化できるアプリ作成に着手。60点→80点の活用度へ
井土氏:まずは日報管理と案件管理をつなげるところから始めました。顧客登録は仮登録でOKとするルールで運用、まずは社員が登録しやすい方法でトライしてみました。
そして顧客登録〜予実管理までを一本化できるアプリ作成に着手。一本化するために「日報管理」と「案件管理」を繋ぎました。次に「日報アプリ」でスタートとなる顧客情報の登録をよりスムーズに入力しやすくするために、顧客登録は仮登録でOKとするルールで運用、また後からキーワード検索しやすいように顧客の呼称や略称の登録を促す工夫を行ないました。
そこで「日報アプリ」vol.1が完成。コメント機能を使ってチャット感覚で会話をしたり、「イイね!」など気軽にやりとりすることで、案件機会の増加や案件トラブル予防に繋がり、営業活動の見える化が実現したと実感しています。

次に「案件アプリ」の紹介です。顧客データ、予実情報を入力できる「予実アプリ」と案件の活動状況が確認できる「日報アプリ」の3つの情報をまとめたのが「案件アプリ」です。過去に使っていて良かった機能はそのままに、加重計算や受注確度、また顧客から得た有益な情報なども入力できる点と案件の状態把握が行いやすい点が特長になっています。また、案件IDが自動生成されるためデータ集計が行いやすい点もメリットだと感じています。
最後に「予実アプリ」の紹介です。担当者ごとに入力案件における加重計算されたデータがリアルタイムで表示されます。案件アプリのデータも関連レコード機能を使って表示しているため、上司やアシスタントにも営業がどのような案件を取り組んでいるかがわかるようになっています。
結果、60点→80点くらいの活用度となり、とても満足しています。
しかしここで終わらないのがkintone。さらに全社での情報共有に挑戦!
井土氏:営業だけでなく、業務アシスタントや総務や財務のメンバーも全社で利用できるアプリに改善を行いました。導入からわずか半年でvol.2を作っちゃいました。
入力件数が多いため、テーブル形式を使って複数入力に対応できるようにしました。便利なコメント機能はそのままに、案件IDの検索がしやすいようにレコード追加やNEXT ACTIONや”気づき”によるTO
DOまで記載させ、営業が本来行う活用目的の意識づけを図った点も工夫した点です。

勤務形態や業務区分を選択できるようにしたことで、グラフによる見える化が実現しました。今後の営業戦略を検討するために、非常に参考になるデータ収集ができるようになったと実感しています。
会社の資産=名刺情報の管理にもkintoneを活用
井土氏:最後に、最近導入した名刺アプリをご紹介します。初めてプラグインを利用しました。名刺情報は会社の資産とよく言いますが、営業が属人管理していた名刺をなんとかしたい想いがずっとありました。スマートフォンで名刺を撮影するとすぐにデータ化され、このデータを「顧客アプリ」と連携させるようにしています。そして「顧客アプリ」は「案件アプリ」とも連動するので、最近では収集した名刺をスキャナで一気に読み込み、RPAと連動させてデータ登録を自動化する仕組みも構築しました。また、名刺支給枚数と名刺登録件数の統計をとって、入力を促すよう工夫も行なっています。
個人的には、携帯ですぐ使えるのがとても良いと思っています。久しぶりの訪問や夜に居酒屋でばったり会った方についての確認もさっとできるのが良いなと思っています(笑)。
浜正グローバルでの展開を見据えて
井土氏:
今後の展望です。今後は評価制度における目標管理シートのアプリ化に挑戦していきます。このアプリは李さんの活躍ぶりに刺激を受けた別の社員が担当になって進めてくれています。
そしてさらには、中国での成功事例を日本本社をはじめ、別の海外拠点に広めていきたいと考えています。
以上をもちまして、kintoneを導入したことにより、全社一丸となって業務効率ひいては生産性向上に成功したことをお伝えし、感謝の言葉に代えさせていただきます。ご清聴いただき、ありがとうございました。
\ 発表は以上となります。ありがとうございました。 /